■題名:さよならいぬの声

■作者:河田直樹

■twitter:http://twitter.com/misty7ginkgo

■本文:

 

 

「何で!! 死んじゃだめよリリ!!――……[a]

 

……――また、あの日の夢を見た。

あの日、私は愛犬のリリと、朝の日課で散歩をしていたのだ。

だけどリリの体調が悪そうで、私は早めに家へ帰ろうといつもとは違う道を歩いた。

それがいけなかった。

走って交差点を渡った時、横からものすごい勢いでトラックが向かって来た。

あ、と思ったとき[b]には、すでにトラックは目の前だった。

リリが、私にぶつかる。[c]次に思考を取り戻した時には――リリはトラックに撥ね飛ばされて、二十メートルほど先の道路に倒れていた。

一目見てわかった。

リリは、死んでいた。

道路には赤い血が広がっていて、錆びた鉄の臭いがした。

さっきまで一緒に、一緒に散歩をしていたリリが死んでいる。

私はよろよろとおぼつかない足取りでリリの許へ歩き、その場で冷たくなった亡骸[d]に埋もれて[e]、泣くことしかできなかった。

 

 

夢がだんだんと薄れて、私は目を開ける。

「朝か……」

カーテンの隙間から光が洩れている。顔に当たって眩しい。

目をこすって布団から起き上がると、視界の正面には仏壇がある。[f]

毎朝、毎晩、毎日目にする仏壇。そこはリリが眠っている場所でもあった[g]

「リリ……」

まだ一回も線香をあげ[h]ていない。ううん、あげ[i]たくないだけ。ただの私のエゴ[j]だ。

「まだ、さよならしたくないよ……」

未練がましくしているからなのか、毎日のようにあの日の事故の夢を見る。

悪夢だ。

それも決まって赤い血の色を、血の鉄の臭いを思い出す。あれ以来、交差点に近づくことにさえ[k]抵抗を覚えるようになった。近づくと、リリが死んでいることをはっきりと告げられているようで……つらい。

「今日は休みだし、もう一度寝よう……」[l]

そうして私は、ふたたび微睡みの中に沈んだ。

 

    ○ ○ ○

 

目を覚ますと、やけに視界が低かった。[m]

「……?」

私が立っている場所は、寝室だ。[n]

つと周りを見回すけど、やはりここは私の家で、いつも使うベッドはもちろん、見慣れた仏壇だってある。

だけど、視界が低いせいか、世界が違って見える。

しばらくぼーっとして、何気なく、光が洩れている窓ガラスに近づく。

外の景色を見ると、ふと、窓に何かが映っていることに私は気づいた。[o]

〝犬〟が映っていた。[p]

「あれ……? これ、リリ?」

窓に映っていたのは、見紛うはずがなく、リリだった。

すらっとしてるけどたくましい真っ白い身体。ピンクのポイントが入った赤い首輪。[q]そして鈴。くりくりした瞳がとてもかわいらしい、私自慢の愛犬だ。

窓に映るリリに触れようとして、カツ、指先が当たった。反射的に手を引いて――

「――へ?」

私の手が、どう見ても犬のそれだった。

なんだ。

なんだなんだ?

考えを巡らせるが、どうしてもわからない。

さっきからどうもおかしい。視界は低いし、手は白い毛でふさふさで目の前の窓にはリリが映ってるし。

映ってるし――[r]

姿が紛れもない犬だった。ためしに顔を触る[s]と、窓ガラスのリリは私と同じ動きをする。それにふさふさしていて、改めて手を見ると、肉球的なものの存在が確認できる。お尻らへんに、謎の感覚がある。

――尻尾……。

――ああ。

「私――リリになってる!?」

身体から少し土の匂いが感じられた。[t]

そうか、私は犬か。

成す術もなく放心していると、突然後ろでガチャ、とドアが開く音がして、はっと振り返る。

「リリー、散歩行くよー」

ここは天国なのだろうか? そうか、天国だ。きっとそうなんだ。私はリリの夢を見てるんだ。[u]

だって、そこに立っていたのは、私だったから。

 

    ○ ○ ○

 

夢は覚めなかった。

私は今、私に引っ張られて、散歩をさせられている。

――は、恥ずかしい……。

私は犬で、ぺたぺたと地面を四つん這いで歩いているのだ。

首には当然のように首輪が繋がれていて[v]、歩く度にチリン、と鈴が小気味よい[w]音を鳴らしてくれる。何度か首をグイッとやられてオエッとくる。

私は幾度もわんわんと抵抗の声を上げ[x]たが、人間の私はそんなのどこ吹く風で、とろいのかにぶいのか「おーよしよし」と犬バカの様相を呈していた。

必死の声はまるで届かなかった。

――うわっ、近所のおばさんだ。こんな姿、なんて説明すればいいんだろう!?

――わっ、おばさん近づいてきた[y]! あ、頭を撫でられて……き、気づいてない?

――げ、今度は悪ガキが! おいこら石を投げるな!

――おお、私が悪ガキに怒っている。うん、さすが私。よい[z]飼い主だ。

「リリちゃん今日は元気ないでちゅねー。どうしたでちゅかー?」

前言撤回。

全然よくない!

よりにもよって猫撫で声。普段はしないだろ、は、恥ずかしい……。

確かに自覚は多少あったけど、いざこう自分自身の親バカもとい犬バカっぷりをまじまじと見せられる[aa]と、恥ずかしというか[ab]、泣けてくるというか、なによりも心理的にきつすぎる。

夢なら早く覚めて……。

「むー、今日はリリちゃん体調悪いみたいだし、散歩早めに終わろうか。あっちに行こうね」

夢は覚めないまま。

そうして普段の散歩コースから外れた。

時間がない時は、この道を曲がる。商店街を真っ直ぐに行き、交差点を渡って、短く町内を一周できるお手軽なコースだ。

でも少し歩いて、私はあることに気づいた。

――あっちに行こう?

――あっちって、どっち?

「あ」

この先。私たちが向かっている方向には、あの交差点がある。

「え。……ちょっとこれ」

私はとたんに強い既視感に苛まれ、頭に鈍痛を覚える。

この道順は、交差点へのルートは、リリが死んだ日と同じものだった。

――これ、事故の日と同じだ!

唐突に感じた。

もう、交差点が見えている。信号は今は赤。私たちが渡る頃には、ちょうど青[ac]になる。そして横からトラックが来て、轢かれる。しかも轢かれるのは、犬の私自身だ。

急激に意識があの交差点を拒む。なのに、なぜだか身体の動きが、歩みが止まらない。首を引かれて一歩一歩、確実にあの場所に近づいて行く。

――だめ、あそこは行っちゃだめ! 私はもう二度と行きたくない! だから、だから止まって! 行きたくない行きたくない行きたくない!!

こんなに大きな声で叫ぶのに、私には届いていない。反対の信号が点滅し始めている。

「リリ、早く帰って、朝ごはん食べようね。そしたらリリも元気になるよねー」

もう交差点はすぐそこだった。身体が言うことを聞かない。私の意識は身体に抵抗を続けるけど、全然動かない。[ad]

信号が青に変わった。[ae]

人間の私が信号が変わったのを見て[af]走る。私も引っ張られて駆ける。私たちは交差点をふたりで渡る。横からから[ag]トラックが突進して来て――

その時、身体が急に軽くなった気がした。

すべての思考がひとつに収束されて、身体が爆発するかのように動く。

 

ダメ[ah]――――ッ!!」

 

私は叫び声をあげ[ai]ながら、人間の私に体当たりをした。

次の瞬間、強い衝撃が意識を吹き飛ばした。

 

    ○ ○ ○

 

「何で!! 死んじゃだめよリリ!!」

気がつくと、目の前で私が泣いていた。足許にはリリがいて、道路は血溜まりができている。血の臭いがする。

私自身の意識は幽体離脱と言う[aj]のか、リリの身体から少し浮いているところにあった。

周りには人が集まっているというのに、そんなことには意も解さない[ak]で、私はぐちゃぐちゃな顔をして泣いていた。

あの時の私が、今そこにいた。

――もう、こんな顔して……本当にバカなんだから……。

――ちゃん[al]

そんなことを考えていると、ふいに、私の名前を呼ぶ小さな声が後ろから聞こえた。

意識だけで振り向くと、そこには私の愛犬の――白くてすらりとした身体に、首輪に鈴――リリがいた。

「リリ……」

「今日でもう四十九日だから、――ちゃんとは、もう、さよならだね。明日から僕の夢も見なくなるし、自分を責めるのも、全部終わりだよ……」

幼い男の子のような声だった[am]。リリの言葉が、不思議と胸に響いてくる。身体に浸透してきて、とても心地が良い[an]

「僕は、――ちゃんを助けれて[ao]、すごくうれしいよ。だから、明日からもがんば[ap]って、僕の分もちゃんと生きてね……」

私は何を言えばいいのか迷った。

何かを言えばいいんだろうけど、いろんなことが頭をかけ巡って、ぐるぐるしていて整理ができない。

でも、ただ、浮かんだ気持ちがあった。

――私は、私は今までリリに何をしてあげれて[aq]、これからは何ができるのだろうか?

「じゃあ、またね」

リリが私に背を向ける。

行ってしまう。もう、さよならしなきゃいけない。何か、何か言うことは――

「リリ!」

気づいたら叫んでた。そうとしか言えない。[ar]リリが振り向く。私の口から、自然と言葉がこぼれる。

「毎日、毎日お線香上げ[as]るから! あとリリの分もちゃんと生きて、それから、それから、リリのこと絶対忘れない! 助けてくれてありがとう……じゃあ、じゃあ……」

それ以上の言葉は口から出なかった。

リリは笑って[at]、そして消えた。

 

 

「!! ここは……」

私は自分の家のベッドの[au]上にいた。

身体中が汗だくで、袖で額を拭う。

「夢、か……」

――本当に夢だったのだろうか。

そんなことを思いつつ、私はベッドから起き上がる。

チリン。

その時足に何かが触れた。

「あ……。これ、リリの首輪だ」

ピンクのポイントが入った、赤い首輪。ちゃんと仏壇に置いておいたはずなのに、どうしてベッドに……。

私は立ち上がって、仏壇にかけよった。

仏壇の端に、首輪をそっとそなえる。それから、長い長いお祈りをした。

「……うん、元気でた。また、初心にかえって頑張[av]ろう。[aw]じゃあね。さよなら、リリ」

そうして私は、リリにさよならをした。

 

 

 

    おわ[ax]

 

[a]「」閉じ無し。(たぶんわざとだとは思いますが)—C


 

カギ括弧が閉じてないのが私も気になります —K

[b]表記揺れ(ここだけひらがな・あとは全て漢字) —wanavi

[c] 主人公を助けるために体当たりしたんだという事が、わかりづらかったです。車に轢かれて跳ね飛ばされた犬の体がぶつかってきたのかな、と読み違えてしまって。結果をもう少し詳しく描写してもらって、犬のおかげで主人公が命拾いしたのだというのが、もっと明確になると、分かりやすくていいかもしれません。—K

[d]死んだばかりならまだ冷たくはないかと。場所が路上のようなので、冷たくなるまでずっと取りすがってもいられなかったでしょうし。 —C

[e]「埋もれて」というと、「花に埋もれて」とか「雪に埋もれて」など、すっぽりと取り囲まれている状態を思い浮かべてしまいます。

「亡骸を抱き締めて」とか「顔をうずめて」とかの方がいいような気がします。 が、血まみれの死体に顔をうずめるのは、主人公本人の心情としてはアリかもしれませんが、端から見ると(読み手の立場から見ると)なんとなく気持ち悪いかも。。。(^^;—wanavi

[f]布団から起き上がった状態で、真正面に仏壇があるということは、 仏壇に足を向けて寝てるってことになりませんか?

信心深くない人ならそれもアリかもしれませんが。部屋に仏壇を置いているというのは、それなりに信仰心があるのではないかと思うのですが・・・

ベッドの縁に座った状態で正面に仏壇が見えるのであれば、寝ているときは側面に仏壇があるので問題ないのですが、この文章だけだと、ベッドかどうかはわからず、「床に布団を敷いて寝ていて、上半身を起こすと正面に仏壇がある」という状況を思い浮かべてしまいます。

 

あと「仏壇」とあっさり書かれすぎているため、一瞬、彫刻ゴテゴテのずっしりとどでかい黒檀かなにかの仏壇を想像してしまいました。女性の部屋ですから、「家具調の仏壇」とか「タンスの上の小さな御厨子」とか、ちょっと形状を説明しておいた方が読者の脳内に映像を結ぶ手助けになると思います。(「御厨子」じゃ若い人は意味がわからないかもしれないので、「コンパクトな仏壇」とかでも可)

大きな仏壇があるのならば、それはそれでもいいのですが。。。

 

読者が主人公の様子を想像するためには、書かれている情報が少なすぎるようです。

出だしの部分というのは、読者を強く惹き付ける要素が必要です。

読者がここで読むのをやめてしまわないようにするためには、もう少し丁寧な情景描写が必要だと思います。

ただし、必要以上にくどい描写は逆効果になると思うので、読者の脳内に情景を思い浮かべることができる程度に書き加えるのがいいかと思います。

—wanavi

[g]仏壇にお骨がおいてあるのでしょうか?

一般的に「眠っている場所」というとお骨が安置してある場所であり、真っ先に思い浮かべるのはお墓だと思います。

ペットのお骨を仏壇に安置してたままにしている方も実際いらっしゃるので、こういう表現でも問題はないとは思いますが、あまり一般的なケースではないような気がするので、この文章を読んだとき違和感を覚えます。

 

最後の方で49日と書かれているので、まだ納骨前ということなのでしょうか?

しかし、この文章だけではそれが分からないので、ペットのお骨をずっと自分が眠る部屋の仏壇に安置したままで暮らしているかのように思えてしまうのです。

 

また、納骨前の仮安置であるならば、「眠る場所」という表現はちょっと違うような気もします。

「眠る場所」と言ったときは「そこにずっと安置し続ける」ようなイメージがあるのですが、どうでしょうか?

 

この部分は、そのあたりの事情が読者にわかるように、簡単な説明をほんの少しだけ付け加えた方がいいように思います。

 

細かな指摘になってしまいますが、こうしたちょっとした部分に感じる違和感が重なると、読み手の読もうという気持ちを萎えさせてしまいます。

細部にも注意を払って、読者を惹き付ける工夫をお願いします。

 

—wanavi

[h]表記揺れ(意味があって書き替えている場合以外は表記を統一してください)

「あげ・上げ」 —wanavi

[i]表記揺れ「あげ・上げ」 —wanavi

[j]「エゴ」 でもいいかもしれないとは思うのですが、ちょっと言葉の印象が強すぎるような気もします。

 

「エゴ」は「エゴイズム」の略で使っていらっしゃると思うのですが、

エゴイズム(利己主義)

http://kotobank.jp/word/%E3%82%A8%E3%82%B4%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%A0

の意味をみると、少しイメージが違うような気がします。

 

「我が儘」

http://kotobank.jp/word/%E6%88%91%E3%81%8C%E5%84%98

 

「我が儘の類語」

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/5/5ss/015487/

 

—wanavi

[k]読点必要でしょうか? —wanavi


 

私は、読点があるほうが好きです。ここで一呼吸おくことで、「近づくことさえ」の部分が強調されて、主人公の怖がっている心情がよく出ている印象があります —K

[l]声に出して言うひとりごとにしては説明的な気がします。 —C

[m]目を覚ましたときはまだ体が横になってるはずで、視界が低いと気付くのは立ち上がってからだと思いますが、その辺の状況説明ができていません。

不自然にならないように、状況説明を付け加えたほうがいいと思います。

—wanavi


 

目を醒ました

視覚の違和感(周囲がモノクロ)にすぐに気付く? 気付かない?

視界の違和感は、自分の体の異常だと思う? それとも、周囲の異常だと思う? 異常だとはまったくおもわず、素直に受け入れちゃう?

嗅覚なども変わってきてるはずなので、部屋のにおいに違和感はない?

立ち上がるとき、二本足で立とうとした? 二本足で立とうとうとしたら転ばない? それとも、いきなり四本足で立った? 四本足で立ってることに気付いたらどう感じる? それとも、四本足で立ってることにまったく気付かず、二本足で立ってるつもりだった?

そうした変化に、焦ったり、困ったり、悲しくなったり、パニクったりする? それとも、まったく冷静に自分の状況を見詰めることができる?

 

など、その状況で主人公が、どう感じるか、どういう行動をとるか、少し丁寧に想像してみるといいように思います。

—wanavi

[n]ベッドの中で目覚めたのではなく、気付いたら床に寝ていたという設定でしょうか?

起きてすぐ立ち上がったら視界が低かった。そのまま周囲を見回したっていう状況でしょうか?

 

だとしたら、主人公はベッドで眠っていなかったことにも異常を感じるのではないでしょうか?

—wanavi


 

目を覚まして、ベッドから出て、立って辺りを見回している状態からシーンが始まっているんだと思うのですが、「目を覚ますと」というと、寝床に横たわったまま、目をぱちっと開いた瞬間を想像しがちなので、どういう状態なのかわかりづらく混乱します。状況を説明する描写を増やした方がいい気がします。 「目を覚まして、ベッドから出ると、やけに視界が低かった」のように? 「視界が低い」という用法も見慣れませんが、言わんとすることは伝わって来ますので口語的用法ってことで? —K

[o]「光が洩れている」 とあるので、窓の外の方が部屋の中よりも明るいように思えるのですが・・・・外の方が暗くないと、窓ガラスに姿は映らないのではないでしょうか?

単純に姿見が置いてある方がいいように思います。—wanavi

[p]室内で飼っているようなので、小型犬かなという印象があるのですが、主人公に体当たりをして助けることができるというこは中型犬でしょうか?

リリのサイズが分からないために、最後までリリのイメージが漠然としてしまい、脳内に姿を思い浮かべることができませんでした。

ここ以下のリリの姿の説明部分に、リリの大きさ(犬種)の情報を提供しておいた方がいいように思います。 —wanavi


 

中~大型犬を室内で飼うことも、最近では普通と思いますが、やはり、読者が脳内で情景を思い描くのを助けるために、リリの大きさの情報は早いうちに提供しておいたほうがいいかと思います。 —C


 

「やけに視界が低かった」の部分で、視界がどの程度の高さか具体的に示すことで、犬の大きさを暗示するという方法もあります。

"ベッドの上が見えない"とか"椅子に載せてあるお気に入りのクッションが真正面見える”とか、家庭に普通においてあるもので、なおかつ、あまり大きさにばらつきがない品物を基準にすると、読者がイメージしやすくなると思います。 —wanavi

[q]犬の視界はモノクロだったような気がしますが・・・? 色の識別はできなかったような?

 

ググってみました。

http://www.koinuno-heya.com/zukan/sight.html#2

犬は赤や緑が識別できなそうですよ。

 

となると、犬として目覚めた瞬間から主人公はかなりの違和感を覚えるものと思われます。

犬の視覚が人間と違うということを知ってる方も多いので、今のまま、人間と同じような視覚を持っているかのような書き方をしてしまうと、リアリティのない文章として一蹴される可能性が高いです。

 

ファンタジーといえどもリアリティのある描写を心がける必要があると思います。 —wanavi


 

完全に犬視点で犬の見え方の方で描いた方が興味深くなり面白いと思いますが、主人公に、

 

「犬の目って白黒って聞いたことがあるけれど、わたしの場合は人間と同じようフルカラーで見えてるらしい」

 

みたいなことを言わせることで対応しても良いかもしれませんね。

その方が後から出てくる色関係の修正が不要になり、楽なことは楽だと思います。

 

楽をとるか、面白味を取るかですね~

—wanavi


 

自分が犬になっているという時点で、すでにファンタジーなので、細かいところは気にならないかな、と思いました。犬が人間のように話したりするんですし、そもそもこのシーンは、主人公の夢にあたると思うので、メルヘンでもいいような気がします。人間の能力を持ったまま、犬に憑依(?)しているということで、色覚については違和感はあまりなかったです。—K

[r]「映ってるし」 が重複していますが、修正ミスでしょうか? わざとだったスミマセン。—wanavi

[s]犬にとっては、身体の構造上、前脚で顔を触りながら窓を見ることはわりと難しいかと思います。 ためしにやってみる動作としては、他の動作のほうが自然かも。—C

[t]なぜ土の匂いがするんだろう、と思いました。犬を飼ったことがある人には分かる描写なのでしょうか。問題ではないですが、文章の意図がわかりにくかったので、念のためチェックを入れました —K


 

犬を飼っていますが、私も

「なぜ土なんだろう」とは思いました。散歩に行ったときについた土の僅かな匂いが、嗅覚が鋭敏になったために感じられたのだろうと解釈しましたが、最初に一瞬「?」と思ったことは確かです。 —C

[u]「リリになった夢」でしょうか。自分=リリなので。 —K

[v]首輪なら『つけられていて』のほうが自然だと思います。『リードに繋がれていて』なら、わかりますが。 —C

[w]表記揺れ「よい・良い」 —wanavi

[x]表記揺れ「あげ・上げ」 —wanavi

[y]「おばさん近づいて」 ?

助詞抜けはわざとでしょうか?—wanavi

 

[z]表記揺れ「よい・良い」 —wanavi

[aa]個人的な感覚かもしれませんが『まじまじ』は自発的にじっと見ることなので、『まじまじと見せられる』はやや不自然な気がします。『見せられる』場合は『まざまざと』が使われるケースが多いかと思います。 —C

[ab]「恥ずかしというか」 ?—wanavi

[ac]犬視点では信号の色は識別できていないので、光ってるかどうかしか分からないと思います。 そのため、色で表すのはやや不自然な気がします。

「上が光っているので赤のはず」

など、犬としての視覚と人間の時の記憶を合わせて書いたほうがいいように思います。—wanavi


 

「色は人間の時と同じように識別できている」という設定にするのであれば、このままで大丈夫です。ここより以下に出てくる色に関する部分も同様です。 —wanavi

[ad]「全然動かない」だと立ち止まっているかのように思えてしまいます。

 

もう交差点はすぐそこだった。私の意識は抵抗を続けるけど、身体は言うことを聞かない。

 

というように、順番を入れ替えて、「全然動かない」は削除してもいいような気もします。

—wanavi

[ae]ここも。色情報を省いて表現するほうがよい気がします。 —wanavi

[af] 直前に、「信号が青に変わった。」という記述があるので、その直下に同様の文が出てくるのは少々くどいように思えます。

「それを見て走る」などにしたほうが、すっきりするように思えますがどうでしょうか?—wanavi

[ag]『から』重複 —C

[ah]表記揺れ(ここだけカタカナあとは全部ひらがな)

わさと表記を変えている場合はこのままでOK —wanavi

[ai] 表記揺れ「あげ・上げ」—wanavi

[aj]表記揺れ(話をする「言う」ではない「いう」のうち、ここだけ漢字になっている。言葉を発して「言う」はすべて漢字になっています。—wanavi

[ak]『意にも介さない』 —C

[al]主人公の名前を伏せたままなのは、どうでしょう?

何らかの効果を狙ったものかもしれませんが、どのような効果があるものかピンときません。

わたしにはむしろ違和感があるのですが、他の校正者の方はどうでしょう? ご意見お願いします。 —wanavi


 

私も、名前を出してくれたほうが違和感がないと思います。ここで名前が伏せてあると、違和感で、一瞬、心理的に立ち止まってしまい、感情移入が途切れます。 —C

[am]「リリ」という名前からメスの犬を想像していたので、「男の子」にちょっとびっくり。でも、ペットの名前はいろいろなので問題はないかも。 —wanavi


 

オス犬がリリという名前でも、首輪の飾りがピンクでも全く構いませんが、ただ、読者にとっては、ここまで雌だと思っていた犬が実は雄だったという小さな驚きのために(その驚き自体は、けして不快なものでなく、楽しい驚きなのですが)、この、せっかくの感動シーンで、話の本筋への感情移入が一瞬無駄に途切れる可能性があるので、それを防ぐためには、もっと早いうちにリリが雄であるという情報を提供しておいたほうがいいかと思います。 —C

[an]表記揺れ「よい・良い」

わざと表記を変えている場合はOK。 —wanavi

[ao]「助けれて」? —wanavi

[ap]表記揺れ「頑張・がんば」 —wanavi

[aq]「してあげれて」? —wanavi

[ar]この部分、無くてもいいような? —wanavi

[as]表記揺れ「あげ・上げ」 —wanavi

[at]このシーン、リリは男の子の声だけど、姿は犬なんですよね? だとしたら、『笑った』は、ちょっと違和感が。犬の顔だけど主人公には 笑ったように思えたのだと思いますが、ここで一瞬『犬なのに?』と思わせると、せっかくの感情移入を途切れさせてしまう可能性も。(ほとんどの人は気にしないとは思いますが)—C

[au]同一助詞の連続=同一助詞の連続は意味を分かりづらくするため修正が望ましい(by.一太郎) —wanavi

[av]表記揺れ「頑張・がんば」 —wanavi

[aw]「初心に」という言い回しに違和感があります。通常は、慣れることによる慢心や迷い(悪い精神状態)を捨てて、最初の純粋な気持ちに立ち返るという意味で使うのだと思うので、こういう場合には使わないのではないかと。愛犬の死や、愛犬を身代わりにして自分だけ助かったことなどに苦しんでいた主人公の心情はもっともなので、それを単に捨て去るのではなく、消化して乗り越えたのだ、今後の人生に活かしていくのだという決意が感じられる台詞であるほうが、感動が深いと思います。この台詞で、作品の読後感が決定づけられる重要な一文だと思いますので、最大限、吟味なさってください。 —K


 

文章の間違い等ではないので最初はチェックを入れませんでしたが、私もこの単語の選択には若干違和感がありました。—C


 

わたしもこの部分には違和感を覚えました。

 

いっそ最後の2行を削除して、「長い長いお祈りをする」場面(できれば約束通りにお線香をあげてから祈る方がいいかもしれません)で終わることで、主人公の心情を読者に推し量って貰うのも手かもしれないとも思うのですが、その場合は、読者が主人公の心理理を類推できるように(いわゆる行間を読むというやつです)、ラストの一文の描写を工夫する必要があります。また、中途半端で終わってるような印象を残さないように、かつ、余韻を残して終わらせる為には、かなり文章を練る必要があり、かなり難しい作業になってしまうかもしれません。

ですので、方法のひとつとして一応提案はしておきますが、あまりお勧めな方法ではないと思っています。

 

むしろ、主人公にきっちり結論(最後の決意のセリフと別れの挨拶)まで語らせたほうが、作風に合っているように思います。

また、「元気でた」と「さよなら、リリ」は作品にとって重要なセリフだと思うので、そこを生かしつつ、他の方が指摘されているように「初心」という言葉を中心に検討しなおすことをお勧めします。

 

この部分は、作品の印象を左右するとても大事な部分ですので、どのようにするか、よく検討していただきたいと思います。—wanavi

[ax]犬好きにとっては、じ~んとくるお話でした。犬が好きすぎて、犬の前足は顔まで上がりにくいとか犬は笑わないとか、へんなところにこだわりすぎたかもしれなくてごめんなさい。『肉球的なものの存在』『とを『お尻らへんに謎の感覚』とかの言い回しが楽しくて好きでした。—C


 

ペットロスという重いテーマを扱った意欲作と思います。私自身は犬と暮らしたことがないので、想像の範囲でしかありませんが、犬を飼っている人や、ペットロスを経験した人にとっては、深く感情移入をする話であり、深刻な話題でもあるので、安易に陥らず、真正面から真摯にテーマをとらえ、書いていくことが求められるのではないでしょうか。難しい作品だと思いますが、困難な状況にいる人を励ます力を持った作風と思います。よりいっそう読者の胸を打つ作品になるよう、最終仕上げを頑張ってください。 —K


 

重く深刻になりがちなテーマを取り扱っていますが、ファンタジー要素と、コミカルな描写を加えることで、読みやすい作品になっていると思います。重さと軽さのバランスがとても良いと思います。

もうひと工夫することで、感動的な作品に仕上げることができると思いますので、大変だとは思いますが、ぜひ頑張ってください。出来上がりを楽しみにしています。(^-^)—wanavi